161『督主有病』杨溯

2026/10/16

☆☆☆☆ 古風 約51万~100万字

t f B! P L

読了:Web版、簡体字版全2冊

一生を左右する童年の邂逅から別離と再会を重ね共に難敵を倒すまで。どんな代価を払っても守りたい人という、絶対的味方の孤独な魂の結びつきが良かった。あれだけ探し求める相手との対面の瞬間が待ち遠しいのに誤解がもどかしい、自分の中では走る沈玦のシーンが最高潮。その後は苦しみが多くて…幸せを存分に味わう暇もない。でもやっと手に入れた安逸すら捨てて再び修羅悪鬼にならんとする姿が物凄く格好いい。先が地獄でも罪悪でも(許されるかは別問題として)生きるため業を背負う道を選んだ彼らを誰が責められようか。“芸芸众生,何人不苦?”苦しすぎるよ戴先生!恨みや無力感、痛みに喘ぎながら成長し、最後に見つけた夏侯潋自身の刀が人生そのものみたいで熱かった。ああ全部終わったなと…。『好兄弟』関係が良すぎて恋愛なくてもいいかもと少し思ってしまった。沈玦の仄暗い執着は好き。自筆のスケッチは秘めた欲望という感じで楽しい。脇役たちの存在もいい。可愛い哥哥の最後の望みは複雑…。

簡体字版『横波渡』も読了。人物絵がめちゃくちゃ好き。美!月照夜明で二人の感情の導き手の言葉に夏侯潋が一部同意しない描写も増えてて、Web版読んだ時のもやもやが救いを得た。夫婦でなくてもいいやんね。関係は湿度のない、より自立した『好兄弟』になっている印象。あっさりした沈玦で寂しいが笑。しかし作品紹介にも使われる「他是别人的地狱,却是我的极乐。」がなくなっていて驚いた。素敵な台詞なのにな。後にもう一度出る沈玦=極楽も消えたので、そうか、よくわからないけど駄目なのか…

2026年10月15日

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